自慢大会の翌日。
2日間の予定で前日、自らコンポスト作り普及員になることを志願してくれた女性13名を対象に普及員講習会を実施しました。
彼女たちは、自分たちが学んだ技術を他の人たちにも教えてあげたい、自分の技術をより高めたい、と心から思ってくれているようで、やる気を強く感じました。
この講習会で私が重視したのは、ごみ処理に関する衛生啓発の方法です。
というのも、彼女たちは、もうコンポストの作り方はマスターしています。もちろん、まだまだ技術を高めることは可能だし、必要です。
しかし、何より、彼女たちは今まで一度も「誰かに何かを伝える、教える」というような指導員的なことは一度もやったことがないし、研修を受けたこともない。
そこで、人前での話し方、啓発の進め方、啓発対象者の視覚へ訴える写真の使い方の習得に力を入れました。
まずは何もお手本など見せず、彼女たちの実力を見ようと、ボボ市内のごみ処理、衛生問題に関する啓発デモンストレーションを2グループに分かれて準備。
発表してもらいました。
ん…。
やっぱり予想通り。
人前で話すことに慣れていない彼女たちは、下向き加減で、ボソボソと2分くらい話し、終了。
手に写真は持っているものの、使う訳でも、聞いている人たちに見せるわけでもなく…。

複数の写真がある中でなぜそれを選んでもっているのかもわからず…。
まぁ初めての練習だから仕方ない!
それから私が開いた講習会で実施した啓発方法や内容を一緒に思い出し、必ず言及すべき内容を確認。
写真の様々な使い方を提案:写真を見せて何が載っているか答えてもらう、写真の状況をどう思うか意見を述べてもらう、など。
写真を使うことで、啓発(普及)員が1人でしゃべり、「これはいけない」「こうすべきだ」と指導するのではなく、対象者たちと対話を持ち一緒に考える。
この方法を学んでほしかった。
1日目はこれで終了。
2日目、前日のおさらい。
数人が前で再度発表。
まだ完璧ではないにしても、昨日の私の助言を多少は覚えてくれていました。
昨日より必要な情報内容に言及、
一方的にしゃべるのではなく、相手に質問をし、最低でもリアクションを得ようとする、
ちょっとしたユーモアを加える、など。
そしてこの日は、コンポストの作り方のおさらい。
これも2グループにわかれ、作り方指導のデモンストレーションを実施。

基本的な情報はカバーされていました。
それから、作り方の他に、工夫すべき点、失敗を防ぐために注意すべき点などは、こちらが質問形式で尋ねると正確に答えてくれました。(本当は、それらも発表の中に組み込んでほしかったのですが…)
これもやはり最初から完璧にできるハズはない!
ということで、2日間の講習会ではちょっと不安…。
彼女たちからも十分じゃないという声があがり、
1週間後総括を行うことにしました。
その3日目は全てのおさらいをし、やっぱりまだまだ練習が必要だと感じましたが、それでも、1日目に比べれば、話し方や内容に関してとても改善されました。
そして、最後には、彼女たち一人一人に、コンポスト作り普及員と認証する(手作り)研修修了書を授与。

字が読めない女性が大半ですが、顔写真を撮りそれを貼り付けることで、自分のものだとわかるようにしました。

一緒に啓発キットとして、ごみ処理問題とコンポスト作りの一部を掲載した写真6枚、ジュラ語で作成したコンポスト作りマニュアルが、渡されました。

それから、彼女たちのやる気に感謝して、少しではありますが、サラダ菜、ほうれん草、トマトなどいくつかの野菜の種をおまけでつけました。

できたコンポストを使って家庭菜園を実施し、より多くの人の目に触れることでコンポストの更なる普及につながればと思います。

「普及員がまずはお手本を見せる」、ということで、啓発キットは、後々ごみになってしまうプラスチックの袋にいれるのではなく、日本の「風呂敷」の伝統に習い、こちらで服を作るのに使われる布(パーニュ)を結んで、袋代わりに。
この3日間、ずっとコンポストパートナーYéも講習会に参加してくれ、いつも同様私をサポートしてくれました。

これからは、彼女たちが普及を実施していきます。
正直、本当にこれで彼女たちは自信を持って講習会を開いていってくれるのか不安です。
でも彼女たちを信じます。
そしてできる限り、彼女たちのサポートを行っていこうと思います。
今後は隔週火曜日に実施される普及員会議で、近況報告、問題共有、啓発スキル向上のための練習などを行っていきます。
がんばれ、普及員たち!